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ヒッチコック・コレクション(ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック)

 ヒッチコック・コレクションは別名「18~19世紀アメリカ建築図書コレクション」で、アメリカの建築史家ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック(1903–1987)の旧蔵書である。主に1830年から1900年までにアメリカで出版された建築関係の洋書920冊、パンフレット類20点が収蔵されている。この時期はちょうどアメリカ建築界がヨーロッパの影響から脱して新技術に基づく独自の世界を築く草創期にあたる。建築辞典、建築年鑑、建築図集、各種建築物設計資料、住宅図集、建築カタログ、設計マニュアルなど実用的・技術的な資料が収集されており、20世紀のアメリカの高層建築群を生み出す基盤となる技術の発展の跡をたどることができる。コレクションには大型の建築図版集も多く含まれ、武藤章(むとう あきら、1931–1985)教授が欧州で収集したトニー・ガルニエ(1869–1948)、ジョン・ラスキン(1819–1900)、カール・フリードリヒ・シンケル(1781–1841)などの貴重本十数冊が追加されている。
 ヒッチコックはハーバード大学を1924年に卒業。早くからジャーナリスティックな活動を通じて近代建築を推進し、近代建築史の学問的組織付けを行った。1932年にフィリップ・ジョンソン(1906–)と共同で、ニューヨーク近代美術館による建築展を組織し、共著『インターナショナル・スタイル』を刊行。この本が有名になり、「インターナショナル・スタイル(国際様式建築)」という呼称の由来となった。1948年にスミス・カレッジの教授となり、1949年に同カレッジの美術館館長に就任した。
 本コレクションは1981年に工学院大学八王子図書館新築記念として購入された。目録として『Catalogue of a fine collection of American architectural books in the 18th & 19th centuries』(1981)が刊行されており、参考図書として『American architectural books. a list of books, portfolios, and pamphlets on architecture and related subjects published in America before 1895』(ヒッチコック著、1976)がある。

<http://www.lib.kogakuin.ac.jp/h_index.html>

事項:

アウト、ヤコブス・ヨハネス・ピーテル; インターナショナル・スタイル、建築の; ガルニエ、トニー; ジョンソン、フィリップ・コーテルユー; シンケル、カール・フリードリヒ; ヒッチコック、ヘンリー=ラッセル; ライト、フランク・ロイド; ラスキン、ジョン; 建築史 武藤章

専門分野:

建築学

所蔵機関:

工学院大学図書館

〒163-8677 東京都新宿区西新宿1-24-2
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