江戸幕府の京都大工頭を務めた中井(なかい)家旧蔵の和書144冊、図面類2,267枚が収蔵されている。御所、二条城、寺社などの建築関係の図面、帳簿、古文書、地図などが含まれている。このうち1642(寛永19)年前後に描かれた洛中(京都の市中)の絵図74枚は『洛中絵図:寛永後万治前』(1979)として複製が刊行されている。 中井家の初代正清(まさきよ、1565–1619)は徳川家康(1542–1616)に仕え、京都の二条城の造営をはじめ、全国の幕府関係の城や寺社の工事を担当し、幕府御用大工の第一人者としての地位を築いた。のち江戸に平内(へいのうち)家や甲良(こうら)家などが幕府作事方を形成したため、中井家は、京都の御所の造営を中心に、畿内5国と近江国(現・滋賀県)の幕府関係の作事を統轄する京都大工頭となった。
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