浦井文庫（浦井鍠一郎）

　浦井文庫は、教育者の浦井鍠一郎（うらい　こういちろう、1868–1932）の旧蔵書および同氏を記念して購入した図書から構成されている。西洋史関係を主とした和書298冊、洋書185冊が収蔵されている。
　浦井鍠一郎は1892年に帝国大学（現・東京大学）史学科を卒業後、直ちに第四高等学校（金沢大学の前身）教授となり、以来40年間にわたり同校で西洋史を講義した。浦井が帝国大学時代に師事したドイツの歴史学者ルートヴィヒ・リース（1861–1928）は日本においてランケ派の移植に努めた。これを反映して文庫には『ランケ世界史』、『ウエーバー世界史』、『リース世界史講義』、『モムゼン・ローマ史』、『ベルンハイム史学方法論』、『ベロッホ・ギリシア史』、『ランプレヒト独逸史』、『マイエル古代史』などが収められている。また、『ブレステッド古代史』、『マイヤー一般歴史』、『ウイリヤムソン支那史』、『マコーレ英国史』などの英書も含まれている。