ガウ文庫（アンドリュー・シデンネム・ファラー・ガウ）

　英国の西洋古典学者アンドリュー・シデンネム・ファラー・ガウ（1886–1978）旧蔵のギリシア・ラテン文学関係を中心とした洋書2,052冊が収蔵されている。古代ギリシアの詩人テオクリトス（前310頃–前250）をはじめ、ヘレニズム期の詩文学のテキスト（牧歌など）を中心に、広く古典学研究の資料が含まれている。
　ガウはロンドンに生まれ、ケンブリッジ大学のトリニティー・カレッジで古典学を学んだ。1914年からイートン校で教え、1925年トリニティー・カレッジの古典学の講師となった。1934年ブリティッシュ・アカデミーの会員に選出され、1947年ケンブリッジ大学の古典学教授に就任した。テオクリトスの研究者として知られ、ギリシア古典の校訂・研究に生涯を捧げた。
　本文庫は1979年に遺族より購入された。『Gow文庫目録』（1981）が刊行されている。