陶山文庫（陶山誠太郎）

　元・大阪商科大学（現・大阪市立大学）教授の陶山誠太郎（すやま　せいたろう、1894–1974）旧蔵の会計学を中心とした和書560点、洋書374点からなる。第1回から第4回にかけての国際会計会議の議事録（1904、1926、1929、1933年）や、国際予算統制会議議事録（1930年）、アメリカ原価会計士協会（NACA）の年報（1928～1937年分）などが含まれる。また、ローレンス・ロバート・ディクシー（1864–1932）、ロイ・バーナード・ケスター（1882–1965）、フリッツ・シュミット（1882–1950）、オイゲン・シュマーレンバッハ（1873–1955）らの著書はほとんど網羅されている。このほか、陶山の専門分野である会計監査、原価計算の文献が豊富である。
　陶山誠太郎は京都帝国大学法科大学選科生として政治経済学科で学び、大阪税関および大蔵省理財局に勤務した。その後、大阪市立高等商業学校（のち大阪商科大学）教授に就任し、九州帝国大学、立命館大学をはじめ各大学講師を務めた。また、大阪市監査委員や大阪府出納長を務め、公認会計士事務所を開設するなど、研究、教育、実務の各方面において活躍した。
　本文庫の目録として『陶山文庫目録：広島修道大学所蔵』（1975）が刊行されている。