リソルジメント・コレクション

　リソルジメント（近代イタリア統一民族国家形成運動）に関する洋書3,801冊のコレクションである。イタリアの実業家ジャンニ・カプローニ（1886–1957）の旧蔵書の一部を中核に、イタリア国家参議会が1944年に放出した蔵書、およびファシズム時代の政治家でリソルジメント史の研究者チェザーレ・マリア・デ・ヴェツキ・ディ・ヴァル・チスモン（1884–1959）の蔵書に由来するコレクションなどが追加されて、文庫が構築された。リソルジメント期に各地で活躍した思想家、政治家の著作や伝記、研究書が、自由主義穏健派と民主主義派の双方にわたって広く集められている。
　イタリアは1861年に国家統一が実現してイタリア王国が成立するが、この国家統一にいたる過程（1815～1870年頃）を総称してリソルジメントと呼ぶ。リソルジメントとは、イタリア語で「復興」を意味するが、この運動の功労者である政治家カミーロ・ベンソ・カヴール（1810–1816）が1847年に創刊した雑誌名『イル・リソルジメント』に由来する。リソルジメントは政治運動としてだけでなく、文化運動としても盛んとなり、イタリア文学においてウーゴ・フォスコロ（1778–1827）、アレッサンドロ・マンゾーニ（1785–1873）、ジャコモ・レオパルディ（1798–1837）などの作家が活躍した。
　本文庫は1980年に収蔵された。