関東地方  |  一橋大学附属図書館

中山文庫(中山伊知郎)

 経済学者の中山伊知郎(なかやま いちろう、1898–1980)の旧蔵書のうち、和書1,132冊は一般図書と混配し、洋書1,502冊を文庫として別置した。数理経済学や理論経済学に関する資料が大半を占め、手沢本も多い。
 中山伊知郎は日本の理論経済学の第一人者で、均衡理論を軸とする近代経済学を日本に導入し、定着させた。東京商科大学(現・一橋大学)で福田徳三(ふくだ とくぞう、1874–1930)に学び、1927~1929年ドイツのボン大学でヨーゼフ・アロイス・シュンペーター(1883–1950)に師事して理論経済学を学んだ。帰国後、東京商科大学の助教授を経て1937(昭和12)年教授に就任。1949~1955年学長を務め、1962年に定年退官した。著書『純粋経済学』(1933)により日本の経済学に一般均衡理論を導入し、『発展過程の均衡分析』(1939)でワルラス(1834–1910)、シュンペーター、ケインズ(1883–1946)の経済理論を取り入れて、日本における近代経済学の定着に貢献した。一方、政府機関のさまざまな審議会に参加し、第二次世界大戦後の日本の経済政策に多くの提言を行った。また、中央労働委員会会長、国際労働機関の政府代表、日本労働協会会長などを歴任し、労働界においても活躍した。
 文庫は1981~1982年に遺贈された。目録として『中山伊知郎文庫目録』(1983)が刊行されおり、同目録は図書館ホームページの「一橋大学附属図書館所蔵文庫・コレクション・特殊資料紹介」で公開されている。

<http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/bunko/bunko.html>

事項:

ケインズ、ジョン・メイナード; シュンペーター、ヨーゼフ・アロイス; ワルラス、マリー・エスプリ・レオン; 中山伊知郎; 吉田茂; 数理経済学; 日本の経済史; 福田徳三; 経済史、日本の; 経済史、西洋の; 経済学史; 経済理論; 西洋の経済史 資本主義

専門分野:

経済史学 経済学

所蔵機関:

一橋大学附属図書館

〒186-8602 東京都国立市中2-1
Tel.: 042-580-8235
Fax: 042-580-8251
http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/index_Ja.html


Copyright 2012 DIJ