宮田文庫（宮田光雄）

　政治学者の宮田光雄（みやた　みつお、1928–）旧蔵の西洋政治思想史の文献や資料7,668冊からなる。ドイツ政治思想（イマヌエル・カント、ロマン主義、ナチズムなど）、キリスト教政治思想史（カール・バルト、ディートリヒ・ボンヘッファーなど）、平和研究の3本の柱のもとに文献が収集されている。アドルフ・ヒトラーの『わが闘争』初版本（全2巻、1925–1926）、オットー・シュトラッサーの『ヒトラーと私』（1940）、カール・バルトの『ローマ書』初版（1919）・第2版（1922）などの著作に加え、ネオ・ナチズムの新聞やパンフレット、各種の説教や獄中書簡等のタイプ複写などの資料も豊富である。ドイツの歴史教科書も充実している。
　宮田光雄は1951年東京大学法学部政治学科を卒業。1956年東北大学助教授に就任し、政治学、西洋政治思想史を担当した。1960年から2年間ドイツに留学。1963年教授となり、1992年退官後、名誉教授となった。著書『西ドイツの精神構造：ナチズムとデモクラシーとの間』（1968）により日本学士院賞を受賞。さらに論文「現代デモクラシーの思想と行動」により1971年吉野作造賞を受賞した。
　本文庫は1997年以降、継続的に図書館に寄贈され、現在も受け入れと整理が続いている。