ファルケンベルク文庫（パウル・ファルケンベルク）

　ロストック大学教授を務めたパウル・ファルケンベルク（1848–1925）旧蔵の植物学関係の洋書538冊、別刷872点236冊、洋雑誌14種・製本154冊からなる。
　ファルケンベルクはベルリンで生まれ、ベルリン、ハイデルベルク、ゲッティンゲンの各大学で自然科学を学んだ。1875年ゲッティンゲン大学で博士学位を取得。1876年同大学で教授資格を取得し、1884年員外教授（助教授）となった。1887年ロストック大学に招かれ、植物学研究室と植物園の責任者となった。
　本文庫には今日の生物学や植物学発展の基礎となったエルンスト・ハインリヒ・フィリップ・アウグスト・ヘッケル（1834–1919）の『天地創造史』、ユリウス・ザックス（1832–1897）の『植物実験生理学』、フィリップ・エドゥアール・レオン・ファン・ティゲム（1839–1914）の『植物学概論』、エドゥアルト・アドルフ・シュトラスブルガー（1844–1912）の『植物学教科書』、カール・エベルハルド・ゲーベル（1855–1932）の『植物器官学』、ヒューゴ・マリエ・ド・フリース（1848–1935）の『突然変異説』等の多数の古典的文献が含まれている。また、東京海洋大学附属図書館所蔵の岡村文庫（岡村金太郎旧蔵書）にも含まれない多くの藻類学の文献が収集されている。そのほか、19世紀から20世紀にかけての西欧の研究者の論文抜刷が多数収蔵されていることも特色の一つである。目録が『Catalogue of the Phycological Bibliography in the Library of the Imperial Fisheries Institute』に収録されている。