荒木文庫（荒木俊馬）

　天文学者の荒木俊馬（あらき　としま、1897–1978）の旧蔵書で、天文学と一般教養の和書1,534冊、洋書411冊が収蔵されている。
　荒木俊馬は熊本県で生まれ、1923年京都帝国大学理学部宇宙物理学科を卒業。同大学講師を経て1924年助教授に就任した。1929～1931年ドイツ、フランスなどに留学し、1941年教授に昇進。敗戦後の1945年大学を辞し、京都府の夜久野町（やくのちょう）に約10年間隠棲して著述に専念した。戦時中に大日本言論報国会理事を務めていたことから、1947～1951年公職追放を受けた。1954～1964年大谷大学教授を務めたのち、1965年に京都産業大学を創設して初代学長、総長、理事長を歴任した。1974年に京都大学名誉教授となった。著書に『天文宇宙物理学総論』（全7巻、1947–1952）、『天体力学』（1980）、『思想戦と科学』（1943）などがある。
　本文庫の目録として『京都産業大学図書館所蔵荒木文庫目録』（1982）が刊行されている。