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朝永文庫(朝永三十郎)

 哲学者の朝永三十郎(ともなが さんじゅうろう、1871–1951)の旧蔵書のうち、西洋哲学関係の洋書622冊が収蔵されている。
 朝永三十郎は長崎県で生まれ、1898年東京帝国大学哲学科を卒業。真宗大学(現・大谷大学)教授を経て、1907年京都帝国大学助教授となった。1909~1913年ヨーロッパ諸国に留学し、ドイツのハイデルベルク大学でヴィルヘルム・ヴィンデルバント(1848–1915)に学んだ。1913年京都帝国大学教授に就任し、1931年に退官後は同大学名誉教授となり、大谷大学教授を務めた。西洋近世哲学史研究の草分けで、イマヌエル・カント(1724–1804)の理想主義の立場をとった。ルネサンスから新カント派にかけて、理性による「我」の自覚的深化の過程を明らかにした『近世に於ける「我」の自覚史:新理想主義と其背景』(1916)は教養書として広く読まれた。他の著書に『カントの平和論』(1922)、『デカルト』(1925)、『ルネッサンス及び先カントの哲学』(1949)などがある。物理学者でノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎(1906–1979)は、三十郎の長男である。
 本文庫の目録として『朝永文庫目録』が作成されている。

<http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/guide/jpn/collection.html>

事項:

ヴィンデルバント、ヴィルヘルム; カント、イマヌエル; ケーベル、ラファエル・フォン; 井上哲次郎; 哲学、西洋の; 哲学史; 朝永三十郎 西洋の哲学

専門分野:

哲学

所蔵機関:

京都大学文学部図書室

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http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/guide/libraries/03.html


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