用和堂(ようわどう)文庫は、加賀藩の礼法指南役を務めた渡辺家に伝えられた蔵書である。礼法および有識故実に関する和書746冊と、1枚物117点140枚が収蔵されている。渡辺家の礼法は小笠原流であり、流鏑馬、犬追物、笠懸等の資料が多く含まれる。また、秘書として小笠原家から渡辺家に与えられた、室町時代以降の礼書の写本が多数存在する。渡辺家の子孫で、のち東京大学応用微生物研究所教授となった渡辺篤(わたなべ あつし、1901–1996)が第四高等学校(金沢大学の前身)の学生だった1923年頃、京都大学より先考の蔵書を所望された。そこで、国史の教授に見てもらったところ、その大部分の資料が貴重なものであり、郷土の文化財として第四高等学校で所蔵することが適切だと勧められ、蔵書の処置を同教授に委ねたとのことである。
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