中国文学者の沢田瑞穂(さわだ みずほ、1912–)の旧蔵書で、中国近世の通俗文学、民間宗教、社会史に関する資料約8,400点からなる。明版を含む宝巻(ほうかん)約200部が含まれる。宝巻とは中国の講唱文学の一つで、通俗的な歌い語りの講釈のことをいう。その内容は、仏典や仏教説話に取材したものや、民間説話に仏教的な脚色をしたものなど、さまざまである。文庫にはこのほか、中国の庶民の間に流布した散逸しやすい資料が多数収められている。 沢田瑞穂は天理大学教授、早稲田大学教授を歴任し、中国文学や中国民間宗教を研究した。著書に『地獄変:中国の冥界説』(1968)、『仏教と中国文学』(1975)、『宝巻の研究』(1963、増補1975)などがある。 本文庫は1989年に収蔵され、文庫名は旧蔵者の命名による。目録として『風陵文庫目録』(1999)が刊行されている。
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