経済学者の小松芳喬(こまつ よしたか、1906–2000)旧蔵の洋書約8,000冊が収蔵されている。内容は、イギリス経済史を中心に、歴史、哲学、宗教など幅広い分野にわたる。貴重書を多く含む。小松は1930年から早稲田大学図書館に和・洋書の寄贈を続けていたが、1966年以降に寄贈された洋書のみを文庫として設置した。文庫名は、図書購入費の資金援助を惜しまなかった小松の父の名にちなんで付けられた。 小松芳喬は、1928年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、大学院に進んだ。1937年から約1年半英国に留学し、主にロンドン大学で経済史・経済学史を学んだ。帰国後、早稲田大学助教授を経て、1942年教授に就任。大学院経済学研究科委員長、政治経済学部長などを歴任した。近世初期や産業革命期のイギリス社会経済史の研究で業績を残し、著書に『封建英国とその崩壊過程』(1944)、『英国産業革命史』(1953)などがある。 本文庫の目録として『艸翁文庫目録』(1976)が刊行されている。
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