シェリー・コレクション（パーシー・ビッシュ・シェリー）

　イギリスのロマン派詩人パーシー・ビッシュ・シェリー（1792–1822）の著作、評伝、研究書を中心とした和書約130冊、洋書約900冊が収蔵されている。シェリーの著作の初版本をはじめ、シェリーをめぐる人々の著作や評伝、イギリスのロマン派に関する研究書などを含む。元・文教大学教育学部教授でシェリー研究家の星谷剛一（ほしや　ごういち、1917–1983）から寄贈された旧蔵書をもとに、元・文教大学理事で学習研究社創業者の古岡秀人（ふるおか　ひでと、1908–1994）の援助により入手した文献と、図書館が継続して収集した文献を追加してコレクションが構築された。
　シェリーはオックスフォード大学在学中に、小冊子『無神論の必然性』（1811）を書いたため放校処分になった。まもなくハリエット・ウェストブルックと駆け落ちして19歳で結婚。北イングランドのケジックに住み、無政府主義の思想家ウィリアム・ゴドウィン（1756–1836）の影響を受けて、初の本格的な長編詩『マブ女王』（1813）を発表した。1814年ゴドウィンの娘メアリ（1797–1851）と駆け落ちし、1816年にハリエットが自殺したのち正式に結婚した。その後イタリアに移り、各地を転々としながら詩劇『プロメテウス解縛』（1820）をはじめ多くの詩を創作した。イタリア北部のスペツィア湾をヨットで帆走中に暴風雨に巻き込まれ、29歳でその生涯を閉じた。
　本文庫の目録として『星谷剛一旧蔵シェリー関係図書目録』（1985）と『古岡記念シェリー・コレクション図書目録』（1990）が刊行されている。なお、後者の目録は前者の増補改訂版である。