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松川裁判関係資料コレクション

 松川事件に関する裁判関係資料1,204件が収蔵されている。第二次世界大戦後の社会運動・労働運動史において貴重な資料である。
 松川事件とは、1949(昭和24)年8月17日東北本線の松川駅付近で列車が転覆し、乗務員3人が死亡した事件である。当時ドッジ・プランに従って行政整理、企業整備が進められ、労使が激しく対立する中で、同年7月5日の下山事件、7月15日の三鷹事件に続いて松川事件は起こった。事件後、国鉄などの人員整理に反対する共産党員らの暴力行為として党員や労組員20名が逮捕・起訴され、一・二審で死刑を含む有罪判決が下された。しかし、最高裁判所は重大な事実誤認の疑いがあるとして、仙台高等裁判所へ差し戻しを命じ、仙台高等裁判所で再審理の結果、全員無罪の判決が下された。さらに1963年最高裁判所は検察側の上告棄却の判決を下して事件発生から14年ぶりに全員無罪が確定した。事件は当初から共産党弾圧のため捏造された疑いがあり、作家の広津和郎(ひろつ かずお、1891–1968)らの支援活動が世論を喚起したことも無罪確定への力となった。1964年には時効が成立し、事件の真相は不明のままである。その後は事件の責任を追及する国家賠償請求運動が続けられ、1970年に東京高等裁判所が国に賠償金の支払いを命じた。同年、「松川事件の責任追及のための全国連絡会議」は解散され、同会議から一切の権限を与えられた弁護士6名によって、1971年関係資料が大原社会問題研究所に寄贈された。
 本文庫の目録として『松川裁判と松川運動に関する資料目録』(1971)が刊行されている。

<http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/own/index.html>

事項:

共産主義; 労働運動; 広津和郎; 政治史、日本の; 政治運動; 日本の政治史; 日本の法制史; 日本共産党; 松川事件; 法制史; 法制史、日本の 社会運動

専門分野:

政治史学; 法律学 社会史学

所蔵機関:

法政大学大原社会問題研究所

〒194-0298 東京都町田市相原町4342
Tel.: 042-783-2305
Fax: 042-783-2311
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp


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