明治期の官僚、政治家の井上毅(いのうえ こわし、号:梧陰 ごいん、1843–1895)旧蔵の和漢書770部、文書約6,000点が収蔵されている。明治憲法、皇室典範等の諸法典の制定に関する史料が含まれている。明治史研究の根本史料である。 井上毅は熊本藩の士族の家に生まれ、1871(明治4)年司法省に出仕。翌年渡欧して、フランス、ドイツで司法制度を調査した。帰国後、大久保利通(おおくぼ としみち、1830–1878)、岩倉具視(いわくら ともみ、1825–1883)の信任を得、伊藤博文(いとう ひろぶみ、1841–1909)のもとで、伊東巳代治(いとう みよじ、1857–1934)、金子堅太郎(かねこ けんたろう、1853–1942)と共に、大日本帝国憲法、皇室典範、議院法の起草にあたった。また、教育勅語の起草にも関与し、文教政策においても指導的役割を果たした。法制局長官、枢密院書記官長、枢密院顧問などを歴任したのち、第2次伊藤博文内閣文部大臣を務めた。 本文庫は井上匡四郎(いのうえ ただしろう、1876–1959)から譲り受けた。目録として『梧陰文庫目録』(1963)が刊行されている。
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