久我(こが)家に伝来した平安末期から明治期にいたる公家文書約2,800点からなる。このうち2,461点が重要文化財に指定されている。内容は、家領・荘園関係を中心とする中世史料、儀礼・文芸や当道座(とうどうざ、盲目琵琶法師の組織)関係を中心とする近世史料、久我建通(こが たてみち、1815–1903)・通久(みちつね、1841–1925)の活動を中心とする明治期の史料などから構成される。中世以来の公家および公家領を研究するための代表的な公家文書である。 久我家は村上源氏の嫡流で、清華家の家格である。のちに家祖と仰がれた源雅実(みなもとの まさざね、1059–1127)が1122年に太政大臣となり、久我(現・京都市伏見区)に別荘を持ったことから久我太政大臣と呼ばれ、家名の由来となった。明治維新後、通久のとき侯爵となった。 久我建通が国学院大学の母体である皇典講究所創立時に副総裁を務めた縁により同大学が本文書を譲り受けた。また、一部の文書は久我家から折口信夫(おりくち しのぶ、1887–1953)に譲渡されたが、1954年に折口の遺族から国学院に寄贈された。『国学院雑誌』の1957年5月号より1968年2月号まで89回にわたり本文庫の中世文書912点が翻刻され、さらに『久我家文書』(全4巻、1982–1987)に2,249点が翻刻されている。目録として『国学院大学図書館所蔵久我家文書目録』(1988)が刊行されており、図書館ホームページに画像の一部が公開されている。
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