言語学者、英語学者の岡倉由三郎(おかくら よしさぶろう、1868–1936)旧蔵の和書67冊、洋書2,345冊からなる。内容は、英文学、英語学関係を中心に、ラテン語、朝鮮語など幅広い分野に及んでいる。稀覯書も多く、特に幕末から明治初年にかけての英・独・仏・蘭語の学習書や辞典は貴重である。 岡倉由三郎は1890(明治23)年東京帝国大学文科大学選科を卒業。朝鮮の京城(現・ソウル)で日本語を教えたのち、1896年東京高等師範学校(筑波大学の前身)講師となり、翌年から教授として英語・英文学を担当した。1902年から3年間イギリス、ドイツ、フランスに留学。1925(大正14)年退官後、立教大学教授となった。1926年から日本で初めてのラジオ英語講座を担当。市河三喜(いちかわ さんき、1886–1970)と共に『研究社英文学叢書』(全100巻、1921–1932)の主幹を務め、また「岡倉英和」の名で親しまれる『研究社新英和大辞典』(1927)を編纂した。岡倉由三郎の兄は明治の美術界の指導者岡倉天心(おかくら てんしん、1862–1913)である。
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