楽譜「リヒャルト・ワーグナー：ニーベルンクの指環　四部作　全曲総譜　初版本」

　19世紀ドイツのロマン派の大作曲家ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー（1813–1883）が約25年の歳月をかけて完成した楽劇『ニーベルンクの指環』の全曲総楽譜のきわめて稀な初版本4冊（ドイツ語）が収蔵されている。同楽劇は、序夜「ラインの黄金」、第一夜「ワルキューレ」、第二夜「ジークフリート」、第三夜「神々の黄昏」の4部から構成され、上演に4晩、延べ14時間余りを要するオペラ史上最大の作品である。ワーグナー自身が、中世の北欧神話『エッダ』、ゲルマン伝説『ボルスンガ･サガ』、英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』などに取材して台本を執筆し、全曲が1874年に完成した。4部全曲の初演は、ワーグナーがこの楽曲を理想的な劇場で上演するために建設したバイロイト祝祭劇場の落成記念において、1876年8月13日～17日に行われた。本コレクションはドイツ音楽、ドイツ文学の研究に重要な資料である。