幕末・明治期日本古写真コレクション

　幕末から明治期にかけて撮影された日本各地の都市、景勝地、保養地、人物、風俗などの古写真5,400点以上が収蔵されている。当時来日したヨーロッパ人が長崎や横浜の写真師から買い求めてヨーロッパに持ち帰った写真を中心に、ヨーロッパ人自身が撮影した写真も含まれている。幕末に日本で開業した写真家フェリックス・ベアトや、日本の写真師の開祖である横浜の下岡蓮杖（しもおか　れんじょう、1823–1914）と長崎の上野彦馬（うえの　ひこま、1838–1904）の写真も収められている。カラー写真がなかった当時は、白黒写真に絵師が彩色した写真が作られていたが、この彩色写真が多数収集されている。古写真のほか、絵葉書・スライド等もある。日本写真史の研究資料として、また当時の日本の様子を知るための資料として貴重である。
　本コレクションは1988～1994年に購入され、『幕末・明治期日本古写真コレクション目録』（本編1996、補遺版1998）が刊行されている。また、図書館ホームページでデータベースと画像が公開されている。