鈴木信太郎文庫

　フランス文学者の鈴木信太郎（すずき　しんたろう、1895–1970）の旧蔵書のうち、洋書5,356冊を文庫として設置し、和書1,303冊は一般図書と混配した。ステファヌ・マラルメ（1842–1898）を中心とする19世紀フランスの象徴派とその周辺の詩人たちの作品、およびフランソワ・ヴィヨン（1431–没年不明）を中心とする中世文学の作品群の2つのグループから構成されている。
　鈴木信太郎は1919年東京帝国大学文学部仏文科を卒業。1921～1956年東京大学でフランス文学を講じ（1947年教授に就任）、定年退官後は中央大学、東洋大学各教授を務めた。著書に『フランス詩法』（1950–1954）、『ステファヌ・マラルメ詩集考』（1948–1951）、訳詩集に『近代仏蘭西象徴詩抄』（1924）などがある。
　本文庫は、鈴木信太郎の息子で獨協大学外国語学部フランス語学科教授（当時）の鈴木道彦（すずき　みちひこ、1929–）から1993年に寄贈された。目録として『獨協大学図書館所蔵鈴木信太郎文庫目録』（1997）が刊行されている。また図書館OPACで検索集合を作ることができる（書名検索語「Fonds Shintaro Suzuki」）。