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ベルンシュタイン・スヴァーリン文庫(ボリス・スヴァーリン、レオン・ベルンシュタイン)

 ロシア出身の革命家で、のちジャーナリストとして活躍したレオン・ベルンシュタイン(1877–1970)とボリス・スヴァーリン(1895–1984)の旧蔵書である。ロシア革命史関係を中心とした資料約2,000点が収蔵されている。別々に収集された二人のコレクションを、オランダの古書店デッカー書店が購入して一つにまとめ、同書店が資料を若干補充した。
 ベルンシュタインは若くしてブンド(ユダヤ人労働者社会党)創立メンバーの一人となり、1898年の第1回ロシア社会民主党大会にブンド代表として出席した。その後、政府に逮捕され、ロシアを脱出。やがてパリに移り、ジャーナリストとして活躍した。スヴァーリンは、キエフで職人の子として生まれ、1歳のとき父と共にフランスに移住。1919年にレーニン(1870–1924)によって創始された第三インターナショナル(コミンテルン)の書記となり、1920~1921年フランス政府に逮捕されたが、獄中から革命活動を続け、フランス共産党の成立に指導的役割を果たした。しかし、レーニンの死後、トロツキー(1879–1940)派としてコミンテルンからもフランス共産党からも追放され、政治活動から退いてジャーナリズム活動に専念した。
 本文庫には、ロシアにおけるマルクス主義正統派とみなされているレーニンおよびソビエト同盟共産党関係資料が系統的に収集されているだけでなく、非正当派とみなされてきた革命諸潮流(ナロードニキ、エス・エル党、メンシェヴィキ、アナーキズムなど)の関係文献も多数収蔵されている。亡命革命家が、ロンドン、ジュネーブ、ベルリンなどの亡命先で刊行した文献が豊富である。革命史上の著名な思想家、革命家だけでなく、革命に参加した労働者などの著作も含まれる。革命成立以前のツァー政権や臨時政府などの政府側の重要人物の著作も収められている。
 本文庫は1980年にデッカー書店より購入された。同書店が作成した目録『The two Russian revolutions: an exceptional collection of old and rare journals, books and pamphlets mainly from the libraries of Leon Bernstein and Boris Souvarine』(Amsterdam, Dekker & Nordemann, 1980)がある。なお、本文庫についての解説は「ベルンシュタイン・スヴァーリン文庫(1)~(3)」(細谷新治著、『鐘:一橋大学附属図書館報』5–7号、1980–1981年所収)に詳しい。また、ベルンシュタインおよびスヴァーリンの旧蔵書の一部が北海道大学附属図書館に「ベルンシュタイン・コレクション」、「ボリス・スヴァーリン・コレクション」として所蔵されている。

<http://www.lib.hit-u.ac.jp/CHSSL/collection/index.html>

 

関連文庫:
ボリス・スヴァーリン・コレクション:

ベルンシュタイン・コレクション: レオン・ベルンシュタイン

事項:

Revolution, Russische; コミンテルン(第三インターナショナル); スヴァーリン、ボリス; スラブ語学・文学; フランスの政治史; フランスの歴史; ベルンシュタイン、レオン; マルクス主義; ヨーロッパの歴史; レーニン、ウラジーミル・イリイチ; ロシアの亡命文学; ロシアの政治史; ロシアの文学; ロシアの歴史; ロシア革命; 亡命文学、ロシアの; 共産主義; 政治史、フランスの; 政治史、ロシアの; 政治運動; 文学、ロシアの; 歴史、フランスの; 歴史、ヨーロッパの; 歴史、ロシアの 無政府主義

専門分野:

政治史学

所蔵機関:

一橋大学社会科学古典資料センター

〒186-8602 東京都国立市中2-1
Tel.: 042-580-8248
Fax: 042-580-8250
http://www.lib.hit-u.ac.jp/CHSSL/


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