明治期の自由民権運動家の小室信介(こむろ しんすけ、1852–1885)と沢辺正修(さわべ せいしゅう、1856–1886)を記念して設置された文庫である。両者の死を惜しんだ立憲政党や天橋義塾(てんきょうぎじゅく)関係者18名が中心となって寄贈図書や寄付を募り、文庫が創設された。約5,100冊が収蔵されている。文庫の内容は、和漢書を主とし、洋書若干を含む。主に日本史、政治史関係の文献で、近世の写本が多い。江戸時代に水戸藩の彰考館総裁を務め、『大日本史』編纂に貢献した儒者立原翠軒(たちはら すいけん、1744–1823)の旧蔵書や、江戸時代の国学者塙保己一(はなわ ほきいち、1746–1821)が設立した和学講談所の旧蔵書を含む。 天橋義塾は自由民権運動の基盤となった地方結社の一つであり、1875(明治8)年に京都府宮津で結成された。立憲政党は1881(明治14)年に近畿自由党を母体として設立され、自由党の別働隊といわれた。1883年解党。小室も沢辺もほぼ同時期に宮津に生まれ、天橋義塾および立憲政党の中心となって活躍し、自由民権運動を推進した。 立憲政党の人々と同志社大学創設者の新島襄(にいじま じょう、1843–1890)との関わりにより、同大学に文庫が設置された。『小室・沢辺紀念文庫目録』(1991)が刊行されている。
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