宮城県衛生研究所の創設者で初代所長を務めた青木大輔(あおき だいすけ、1901–1967)が収集した医学史、疫病史に関する資料700点が収蔵されている。文書以外の資料も多数含まれることから「コレクション」と命名された。 青木大輔は東北帝国大学医学部を卒業後、宮城県衛生部技師として防疫の第一線で活躍した。のち宮城県衛生研究所を創設し、初代所長を務めた。一方、東北地方を中心とする医学史、疫病史について精力的に研究し、『寺院の過去帳からみた岩手県の飢饉』(1967)では寺院過去帳と現地調査をもとに、飢饉を背景とした東北地方の疫病史研究の成果をまとめた。さらに「日本疫病史」の完成を目標として、東北地方から北海道南部、東京地方まで寺院過去帳を調査し、調査寺院は400以上に、調査票は千数百枚に達していたが、業半ばで亡くなった。 コレクションの約半数は、この膨大な過去帳のデータである。加えて、青木が私淑した仙台の郷土史家鈴木省三(すずき しょうぞう、1853–1939)から譲り受けた仙台出身の蘭学者の書簡、東北大学医学部五十年史編纂に用いられた資料や原稿、厄除け護符等の原史料などが含まれている。目録として『青木大輔コレクション目録稿』(1985)が刊行されている。
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