ペッファー文庫（ヴィルヘルム・ペッファー）

　ドイツの植物生理学者ヴィルヘルム・ペッファー（1845–1920）旧蔵の植物学関係の洋書11,730冊が収蔵されている。
　ペッファーは、植物生理学者ユリウス・フォン・ザックス（1832–1897）に師事し、のちライプツィヒ大学教授となった。細胞膜の浸透性に関する研究をはじめ、植物の屈性、走性、運動生理学、酵素化学など広範な領域において業績を残し、現代植物生理学の基礎を築いた。
　本文庫は、大原孫三郎（おおはら　まごさぶろう、1880–1943）が1921年に購入した。大原は1914（大正3）年に財団法人大原奨農会農業研究所（のち大原農業研究所に改称）を設立し、1921年に農業図書館を設置して、ペッファー文庫を同図書館の所蔵とした。1951年から1952年にかけて同研究所は図書館とともに岡山大学に移管され、同大学附属の資源生物科学研究所の前身となった。目録として『岡山大学農業生物研究所図書館蔵ペッファー文庫文献目録』が作成されている。