経済学者の中野正(なかの ただし、1912–1985)の旧蔵書で、哲学、経済学関係を中心とした文献5,873冊からなる。 中野正は1940年東北大学法文学部経済科を卒業し、法政大学経済学部長、長野経済短期大学学長などを歴任。マルクス経済学の立場から経済理論および古典派経済学を研究した。主著『価値形態論』(1958)では、アリストテレス(紀元前384–前322)の生成の論理とヘーゲル(1770–1831)の弁証法を基礎に置き、マルクス(1818–1883)の『資本論』の価値形態論の論理構造を解明した。さらに後年は近代経済学の考え方を取り入れ、マルクス経済学から脱皮する方向を試みた。『中野正著作集』(全4巻、1987)が刊行されている。 本文庫は、中野の没後、大学院時代に中野の教えを受けた経済学部教授の堀元(ほり はじめ、1939–)の仲介によって、1988年に遺族から譲渡された。
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