書誌学者、中国文学史家の長沢規矩也(ながさわ きくや、1902–1980)の旧蔵書で、中国の明・清時代の戯曲、小説類約3,200冊が収蔵されている。日本および中国で収集した多数の孤本、稀覯書を含み、中国通俗文学の貴重な研究資料である。 長沢規矩也は1926年東京帝国大学文学部支那文学科を卒業。第一高等学校教授を経て、1940~1970年法政大学教授を務めた。中国文学史の研究から漢籍書誌学の研究に進み、書誌学の確立に尽力した。1932年日本書誌学会の設立に参画し、機関紙『書誌学』の編集を主導。静嘉堂文庫、内閣文庫をはじめ、全国の図書館をまわって蔵書整理や目録編纂にあたり、図書館員の養成や教育に努めた。独自の検索法による『新撰漢和辞典』(のち『明解漢和辞典』)や、『和漢書の印刷とその歴史』など多数の著書がある。 本文庫の目録として『雙紅堂文庫分類目録』(1961)が刊行されている。東洋文化研究所図書室ホームページの「東洋文化研究所所蔵漢籍目録データベース」にてキーワード「雙紅堂」で検索が可能である。
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