仏教学者の高楠順次郎(たかくす じゅんじろう、1866–1945)と河口慧海(かわぐち えかい、1866–1945)旧蔵の仏教関係のサンスクリット語写本518点が収蔵されている。 高楠順次郎は西本願寺普通学校を卒業し、1890(明治23)年イギリスのオックスフォード大学に留学。ベルリン大学、ライプツィヒ大学などを経て1897年に帰国。1899年東京帝国大学教授に就任し、1901(明治34)年初代の梵語学講座担任教授となった。 河口慧海は哲学館(東洋大学の前身)を卒業し、1890年出家した。1900(明治33)年鎖国下のチベットに密入国し、ラサのセラ大学に学んだが、1902年日本人であることがわかり、急遽出国し、翌年帰国した。1904年再渡航し、1914(大正3)年までインドとネパールに滞在後、1914年再びチベットに入国。ラサに滞在してダライ・ラマ13世の好意により大蔵経や仏像・仏画などを得て、1915年に帰国した。帰国後、東洋大学および大正大学の教授を務めた。 本コレクションは高楠順次郎がネパールで収集した写本180点と、河口慧海が将来した写本390点を合わせた570点が基礎となっているが、1923年の関東大震災で一部が焼失し、現存するのは518点である。目録として『東京大学図書館所蔵梵文写本目録』(1965)が作成され、1976年にマイクロフィルム『The Sanskrit manuscripts』が完成している。また、図書館ホームページ「電子展示」の「東京大学所蔵仏教関係貴重書展」にて一部画像が公開されている。
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