中・近世の堂上公家(清華家)の徳大寺(とくだいじ)家旧蔵の史料4,400点(和書)が収蔵されている。 徳大寺家は藤原氏北家閑院流で、平安時代末期に藤原公実(ふじわらの きんざね、1053–1107)の子、実行(さねゆき、1080–1162)、通季(みちすえ、1090–1128)、実能(さねよし、1096–1157)がそれぞれ三条、西園寺、徳大寺家の祖となった。徳大寺の家名は実能が京都衣笠(きぬがさ)に建立した徳大寺に因む。閑院流は大臣に任ぜられる清華(せいが)家の家格で、中世の徳大寺家当主の多くは内大臣、左右大臣、太政大臣を務めた。江戸時代の家禄は410石余であった。 本蒐書は、江戸時代に書写された中世の公家日記や有職故実書の写本を多数含み、中世史研究の貴重な史料である。近世に関しては、中期以降の歴代当主の日記、叙任文書、朝廷儀式関連史料などが存在する。江戸時代に武家伝奏(ぶけてんそう、朝廷と幕府の意思疎通を図るために置かれた公家の役職)を務めた公全(きんたけ、1678–1719)、実堅(さねみ、1790–1858)の関連史料、宝暦事件(1758)に連座した公城(きんなり、1729–1782)の日記などが含まれ、江戸時代の朝廷および朝幕関係の研究に基礎的史料を提供している。 1954年に徳大寺実厚(とくだいじ さねあつ、1887–1970)より史料を購入し、史料編纂所図書室に所蔵されている。目録として『徳大寺家史料目録』(上・下、1993)が図書室に備え付けられている。書誌データは史料編纂所図書室ホームページの「所蔵史料目録データベース」に格納されており、インターネットから検索が可能である。
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