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関東地方 |
東京大学史料編纂所図書室
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宗家史料
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江戸時代に対馬藩主を務めた宗(そう)家の記録類2,947点(和書)からなる。 宗氏は南北朝時代後期に対馬島主・守護となり、室町時代には朝鮮との外交上重要な役割を果たした。16世紀後半には朝鮮貿易をほぼ独占した。豊臣秀吉(1537–1598)による朝鮮侵略の文禄・慶長の役では、宗氏は当初戦争回避を試みたが、開戦後は日本軍の先鋒となって戦った。徳川幕府の時代になると、1605年に戦争で途絶えていた朝鮮との国交回復を成功させ、1609年に己酉約条(きゆうやくじょう)を結び貿易を再開した。以後江戸時代を通じて朝鮮外交の実務と貿易を独占した。朝鮮釜山の倭館に出向いて貿易を行い、朝鮮通信使を日本に迎えて接待した。 宗家の記録は、対馬府中(現・長崎県下県郡厳原町)の「対馬藩庁」、江戸の「対馬藩江戸藩邸」、朝鮮釜山の「倭館」の3か所で記録・保存され、総数が数十万点にも及ぶ膨大なものとなった。東京大学史料編纂所が所蔵する宗家史料は、対馬藩江戸藩邸にあった文書群の一部である。史料のほとんどは冊子体の藩政日記・記録類であり、江戸藩邸でつけられていた「毎日記」と、国元の表書札方(おもてしょさつかた、家老の秘書としての役職)の「毎日記」が、それぞれ500点を超える。その他、書状類、儀式関係、幕府との折衝記録などが含まれる。目録として『東京大学史料編纂所所蔵宗家史料目録』(1994)が刊行されている。 現在、宗家史料は5か所に分散して所蔵されている。東京大学のほか、慶応義塾大学(約2,400点)、国立国会図書館(約1,600冊)、長崎県立対馬歴史民族資料館(総資料数不明、冊子のみ約36,000冊)、韓国国史編纂委員会(約28,000点)である。なお、これらの各所蔵史料の関係や特徴については『近世日朝通交貿易史の研究』(田代和生著、1981)に詳しく、また『宗家記録と朝鮮通信使展:江戸時代の日朝交流』(朝日新聞社刊、1992)にまとめられている。
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<http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/tosho/tosho.html>
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事項:
中世史、日本の;
倭館;
商業史;
外交史;
外交史、日本の;
宗家(武家)、対馬藩、長崎県;
対馬国、現在の長崎県の対馬;
文化史、日本の;
日本・朝鮮関係史;
日本の中世史;
日本の外交史;
日本の文化史;
日本の歴史;
日本の近世史;
日本専管居留地;
朝鮮・日本関係史;
朝鮮史;
朝鮮通信使;
武家;
歴史、日本の;
歴史、日本中世の;
歴史、日本近世の;
歴史、朝鮮の;
田代和生
近世史、日本の
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| 専門分野:
歴史学
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所蔵機関:
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東京大学史料編纂所図書室
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 Tel.: 03-5841-5962 Fax: 03-5841-8425 http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/tosho/tosho.html
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