林羅山(はやし らざん、1583–1657)を祖とする林家(りんけ/はやしけ)旧蔵の史料約2,000点(和書)からなる。 林家は、江戸時代に12代にわたり幕府の教学を担当した儒者の家系である。初代の林羅山は、徳川家康(1542–1616)・秀忠(1579–1632)・家光(1604–1651)・家綱(1641–1680)の将軍4代に仕えて朱子学を講じ、側近として外交文書や諸法度の草案作成にあたった。3代目林鳳岡(はやし ほうこう)のとき大学頭(だいがくのかみ)に任ぜられ、以後幕末まで林家が大学頭を世襲した。上野の忍岡に羅山が開いた家塾は、のち湯島に移され昌平黌として発展し、さらに1797年には幕府直轄の学問所(昌平坂学問所)となった。 本蒐書には、林家の歴代当主の肖像画・書簡・著作、幕府からの諮問に答えた記録、幕末の欧米との通商条約の写し、朝鮮通信使を接待した際に交わした詩文や筆談、門人帳や学事に関する備忘録などが含まれている。林曄(はやし あきら、1866–1943)より史料編纂所に寄贈された。『林家旧蔵書目録』が作成されている。
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 Tel.: 03-5841-5962 Fax: 03-5841-8425 http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/tosho/tosho.html