1946年5月から1948年11月まで2年6か月にわたり行われた極東国際軍事裁判の公判・弁護関係資料である。日本語と英語による記録454冊からなる。橋本欣五郎(はしもと きんごろう、1890–1957)被告を担当した金瀬薫二(かなせ くんじ、1906–1985)弁護士の旧蔵資料、小磯国昭(こいそ くにあき、1880–1950)被告を担当した三文字正平(さんもんじ しょうへい、1890–1988)弁護士の旧蔵資料、および法務省、朝日新聞社、早稲田大学から寄贈された重複資料から構成される。 橋本欣五郎は陸軍軍人として陸軍中堅将校を中心に桜会を結成し、1931年の三月事件、十月事件の首謀者となった。二・二六事件(1936)のあと予備役となり、大日本青年党を結成。1937年の日中戦争で召集されるが、イギリス砲艦レディバード号砲撃事件を引き起こして退役となる。1942年衆議院議員に当選。第二次世界大戦後、A級戦犯として終身刑に処せられたが、1955年仮釈放された。 小磯国昭は陸軍軍人として1930年陸軍省軍務局長に就任。三月事件(1931)に関与し、満州事変前後の軍部の政治進出を推進した。1932年関東軍参謀長兼特務部長として建国直後の満州国を指導したのち、拓務大臣、朝鮮総督を歴任した。1944年7月東条英機内閣のあとを受けて首相となり内閣を組織するが、有効な戦局打開策を講じることができず、1945年4月総辞職。第二次世界大戦後、A級戦犯として終身刑の判決を受け、服役中に病死した。 本文庫は社会科学研究所図書室に所蔵されており、目録として『東京大学社会科学研究所所蔵極東国際軍事裁判記録』(1971、1972、1973)が刊行されている。
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