言語学者の荒木茂(あらき しげる、1884–1932)が収集したペルシア関係の洋書936部からなる。内容はペルシアおよび周辺の美術・考古学・歴史・地理・言語・文学・哲学・宗教・科学に関するもので、600人を超える著者の書物から構成されている。一部原語であるが、他は英・独・仏語で書かれており、19世紀中頃より1920年代にかけてヨーロッパで刊行されたものが多い。 荒木茂は日本におけるペルシア学の先駆者である。米国コロンビア大学に留学し、インド・イラン語学者のアブラハム・ヴァレンタイン・ウィリアムズ・ジャクソン(1862–1937)に6年間師事し、1920年帰国。東京帝国大学文学部講師および学習院大学教授を務め、ペルシア文学とペルシア語を研究した。この間、財団法人啓明会(学術普及を目的とした団体)の援助を受け、ペルシア関係資料の収集に務めた。著書に『ペルシア文学史考』(1922)などがある。 本文庫は文学部言語学研究室に所蔵されており、目録として『波斯関係図書目録:荒木茂氏蒐集』(田中於菟弥編述、1934)が作成されている。
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 Tel.: 03-5841-3807 Fax: 03-5803-3019 http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp/indexj.html