明治・大正期の小説家、渡辺霞亭(わたなべ かてい、本名:勝 まさる、1864–1926)の旧蔵書の一部である。江戸時代を中心とした小説・演劇関係の和書1,851冊からなる。 渡辺霞亭は『大阪朝日新聞』など新聞・雑誌を舞台に、碧瑠璃園(へきるりえん)、緑園(りょくえん)などの別号を駆使し、歴史小説や家庭小説を数多く発表して流行作家となった。また西村天囚(にしむら てんしゅう、1865–1924)らと共に雑誌『なにはがた』を創刊。関西文壇の重鎮といわれた。一方で江戸時代文学の収集家としても知られ、小説・演劇関係書を中心に良書を集めた。 文庫の内容は、御伽草子、舞の本、仮名草子、浮世草子、読本(よみほん)、洒落本、滑稽本、咄本(噺本、はなしぼん)、江戸時代の通俗的な絵入り読み物である草双紙の赤本・黒本・青本・黄表紙・合巻、浄瑠璃、歌舞伎、歌謡などからなる。文庫はマイクロフィルム化されており、目録として『東京大学総合図書館霞亭文庫目録』(1982)、『東京大学総合図書館所蔵霞亭文庫収録書目録:マイクロフルム版』(1983)がある。また図書館ホームページの「電子版霞亭文庫」にて画像が公開されている。文庫は1926年に書店より購入した。
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