綿屋文庫（中山家）

　天理教真柱（しんばしら、天理教団の統治者）の中山家から寄贈された連歌・俳諧書を中心に、勝峰晋風（かつみね　しんぷう、1887–1954）の黄橙（こうとう）文庫をはじめ、川西和露（かわにし　わろ、1875–1945）、石田元季（いしだ　もとすえ、1877–1943）、藤井紫影（ふじい　しえい、1867–1945）、北田紫水（きただ　しすい、1874–1944）などの俳諧学の大家の旧蔵書が追加され、約3万冊（和書）に及ぶ連歌・俳諧書が収蔵されている。1938年に2代真柱の中山正善（なかやま　しょうぜん、1905–1967）が寄贈した8,000点が基となっており、中山家の旧称屋号にちなんで「綿屋文庫」と称される。
　本文庫には、室町時代後期に宗祇（そうぎ、1421–1502）が中心となって編纂した准勅撰の連歌集『新撰菟玖波集』（重要文化財）、最初の俳諧撰集『竹馬狂吟集』などのほか、江戸時代前期の俳人、松尾芭蕉（まつお　ばしょう、1644–1694）や江戸時代前期の浮世草子作者、井原西鶴（いはら　さいかく、1642–1693）の自筆本を多く含んでいる。
　目録として『綿屋文庫連歌俳諧書目録』（1954、1986）が刊行されている。