仏教美術研究者の逸見梅栄(へんみ ばいえい、1891–1977)の旧蔵書で、仏教・仏教美術史関係の和書361冊、洋書17冊からなる。第二次世界大戦前に逸見が中国各地へ現地踏査した際の仏跡、寺院、仏像等の写真の乾板が含まれる。 逸見梅栄は日本におけるインド仏教美術研究の草分けの一人である。東京帝国大学文科大学で仏教学者高楠順次郎(たかくす じゅんじろう、1866–1945)に師事し、1917年に卒業後、1921~1924年曹洞宗留学生としてインドへ留学。ベナレス大学で梵語を学習したのち、カルカッタへ移り、美術史を学びながら博物館の見学や仏蹟の踏査、美術資料の収集に努めた。さらに1939年から3回にわたり、満州、北支那、内蒙古を旅行し、ラマ教美術資料を収集した。立正大学講師および高野山大学、駒沢大学、多摩美術大学の各教授を歴任し、1963~1977年鶴見大学で非常勤講師として日本美術史を講じた。著書に『印度に於ける礼拝像の形式研究』などがある。 目録として『逸見文庫目録:逸見梅栄先生旧蔵仏教美術関係資料目録』(1980)が刊行されている。
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