経済学者の福田徳三(ふくだ とくぞう、1874–1930)の全蔵書の和書22,800冊、洋書22,041冊からなる。各国の経済学、商業学に関する図書が体系的に収集されており、社会科学のあらゆる分野にわたる文献が含まれている。この中にはドイツの経済学者ルーヨ・ブレンターノ(1844–1931)の旧蔵書約7,000冊が含まれる。 福田徳三は高等商業学校(現・一橋大学)を卒業後、1897(明治30)~1901年にドイツに留学。ミュンヘン大学のルーヨ・ブレンターノのもとで経済学を学び、『日本経済史論』(独文、1900)で博士学位を取得した。帰国後、東京高等商業学校(のち東京商科大学、現・一橋大学)教授、慶応義塾大学教授を歴任し、経済史などを担当した。マルクス主義経済学にも関心を示し、労働者階級のストライキ権を擁護した。1919(大正8)年には吉野作造(1878–1933)らと黎明会を組織し、雑誌『解放』の編集に従事した。民本主義運動の指導者として多くの論説を発表し、河上肇(1879–1946)とマルクス経済学をめぐる論争を行った。著書は『経済学全集』(全6巻)のほか、『唯物史観経済史出立点の再吟味』、『厚生経済研究』など多数。
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