女性文庫

　昭和女子大学創立者の人見円吉（ひとみ　えんきち、筆名：人見東明　ひとみ　とうめい、1883–1974）と共に大学の創設に尽力した、妻の人見緑（ひとみ　みどり、1887–1961）を記念して1962年に文庫が設立された。女性に関する内外のあらゆる文献が収集されており、目録、宗教、歴史、教育、婦人・女性問題、社会、労働、風俗・文化・性、言語等の各分野にわたる資料が収集されている。和書9,500冊、洋書3,000冊、和雑誌165タイトル、洋雑誌19タイトル、マイクロ資料5点からなる。
　昭和女子大学は、ロシアの文豪トルストイの「進んで世のために尽くす人を育てる学校を」という理念に共感した人見緑の発意のもとに、人見円吉以下5人の同志の手により、1920（大正9）年「日本女子高等学院」として誕生した。女性文化の発展と同学園創立に篤い思いをもって努力した人見緑が亡くなったのち、同窓会が中心となって全国の卒業生に基金募集と図書寄贈を呼びかけ、女性文庫が設立された。以後、図書館が継続して資料を収集している。目録として『昭和女子大学女性文庫目録』（1991）が刊行されている。