神川文庫（神川彦松）

　国際政治学者の神川彦松（かみかわ　ひこまつ、1889–1988）の旧蔵書で、19世紀後半から20世紀前半までの国際政治関係の和書797冊、洋書2,559冊からなる。
　神川彦松は1915年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業。1917年同大学助教授となり、1918年から欧米に留学し、帰国後、1923年に教授に昇進した。また外務省の嘱託として第二次世界大戦前の日本の外交政策に関与し、外務省の『大日本外交文書』（1936–1940）の編纂に携わった。戦後に刊行した『近代国際政治史』（1948–1950）により1952年日本学士院賞を受賞。戦後の憲法問題では自主憲法期成運動を主導した。1956年日本国際政治学会を創立し、理事長に就任。東京大学教授を退官後、明治大学教授、国士舘大学教授（1965–1983）を務めた。日本の国際政治学の確立に尽力し、他の著書に『国際連盟政策論』（1927）、『国際政治学概論』（1950）、『神川彦松全集』（全10巻、1966–1972）などがある。
　本文庫の目録として『神川文庫目録』（1969）が刊行されている。