陸軍軍医総監を務めた石黒忠悳(いしぐろ ただのり、1845–1941)旧蔵の古医書、文書・書簡類201冊(和書)からなる。 石黒忠悳は福島県(当時は陸奥国)の出身で、1865年医学所に入り、西洋医学を学んだ。明治維新後、1871年に兵部省軍医寮に出仕して軍医となる。佐賀の乱(1874)や西南戦争(1877)に陸軍軍医として従軍。1888年軍医学校長、1890年陸軍軍医総監となり、陸軍省医務局長に任ぜられた。日清戦争(1894–1895)、日露戦争(1904–1905)でも医療面で重要な役を果たした。退役後は、貴族院議員、日本赤十字社長などを歴任。陸軍軍医制度の基礎を築き、近代医学教育に尽力した。 本文庫の目録は『古医書目録』(改訂版、慶応義塾大学医学メディアセンター編、1994)に収録されている。
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