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新田文庫(新田家)

 旧男爵家の新田家に伝わる和漢の写本、版本、古文書約9,000点からなる。近世の社会史、郷土史および国文学の研究に貴重な史料である。
 新田氏は、中世に上野国新田荘(現・群馬県新田郡と太田市一帯)を開発し、勢力をふるった豪族である。その庶流の岩松氏は、新田義兼(にった よしかね)の娘と足利義純(あしかが よしずみ)との間に生まれた時兼(ときかね)を祖として、13世紀初頭に創始された。岩松氏ははじめ足利、新田両氏に属したが、南北朝時代に新田氏が南朝方について滅亡したのに対し、岩松氏は北朝方の足利氏に従ったため存続し、新田氏の跡を継いで新田荘を支配して勢力を広げた。岩松氏は戦国時代に入ると家臣の下剋上により衰退するが、その末裔が徳川家康(1542–1616)に召し抱えられ、120石の知行地を持つ交代寄合として幕末まで存続した。交代寄合は将軍に直属する武家の家格の一つで、知行高1万石未満の旗本でありながら江戸に在住せず、知行地に居住して参勤交代を行い、大名なみの処遇を受けた。明治期に入ると、岩松氏は新田氏と称し、男爵となった。
 新田家所蔵文書のうち中世文書(正木文書と呼ばれる)は、現在、群馬県立歴史博物館に寄託されている。群馬大学に所蔵されているのは主に近世文書で、江戸時代に岩松氏が記録した日記や知行所から提出された文書、および版本・写本の書籍類から構成されている。このうち日記は1680年から1894(明治27)年までの214年間に及ぶもので、新田郡の農民や町人、寺社をめぐる社会史・郷土史研究の資料を提供している。
 本文庫は1966年に新田義美より寄贈された。目録として『群馬大学附属図書館所蔵新田文庫目録』(1984)が刊行されており、重要な資料については『新田文庫資料集:群馬大学附属図書館所蔵』(1986)に収録されている。また、参考資料として落合延孝の『猫絵の殿様:領主のフォークロア』(1996)がある。

<http://www.lib.gunma-u.ac.jp/special-collection.html>

事項:

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専門分野:

歴史学

所蔵機関:

群馬大学附属図書館

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http://www.lib.gunma-u.ac.jp


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