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細川家北岡文庫

 近世熊本藩(肥後藩)の藩主の細川家に伝来した史料約43,000点からなる。
 細川家は足利氏の流れを汲み、足利義季(あしかが よしすえ)のとき初めて細川氏を称した。その子孫は、足利尊氏(あしかが たかうじ、1305–1358)に仕えて勢力を伸ばした。7代目細川頼之(ほそかわ よりゆき、1329–1392)は、足利義満(あしかが よしみつ、1358–1408)を助けて南北朝合体と室町幕府確立に努力し、管領に任ぜられた。以後、嫡家は幕府管領家の一つとなり、摂津、丹波、讃岐、土佐諸国の守護を世襲。庶流家は、阿波、備中、淡路、和泉各国の守護を務め、細川氏一族は室町幕府内に有力な地位を占めた。しかし、応仁の乱後は、嫡家、庶流家ともに衰退、滅亡した。このうち和泉国の守護家の末裔で、近世細川氏の初代とされる藤孝(ふじたか、1534–1610)と、その子忠興(ただおき、1563–1645)が織田信長(1534–1582)、豊臣秀吉(1537–1598)に仕えて一族を再興し、秀吉から丹後国を安堵された。秀吉の没後は徳川派となり、忠興は関が原の戦いの戦功で徳川家康(1542–1616)から豊前国小倉藩39万石余を封ぜられた。3代忠利(ただとし、1586–1641)は1632年熊本藩54万石を与えられ、藩主となった。以後、有力外様大名として存続し、明治維新を迎えた。
 本文庫には、南北朝時代の細川頼之の時代から、室町、安土・桃山、江戸時代を経て1871(明治4)年の廃藩置県にいたるまでの史料が収蔵されている。膨大な藩政史料のほか、国文学書、有職故実などの文書が含まれている。
 明治維新後、熊本藩の古文書類は細川家の北岡邸に移され、北岡文庫と呼ばれていたが、1950年細川家伝来史料の保管と公開のため財団法人永青文庫が設立された。熊本大学は永青文庫から古文書、典籍類の寄託を受け、「細川家北岡文庫」を創設した。美術工芸品は、永青文庫で保存されている。
 本文庫の目録として『細川家旧記・古文書目録』(正編1969、続編1983)、『細川家近世文書目録』(付「中世編」補遺、熊本県教育委員会編、1978)が刊行されている。また『細川家史料』(『大日本近世史料』シリーズ、東京大学史料編纂所編、1969–2002)として近世の主要史料が翻刻されている。このうち『細川家旧記・古文書目録』(正編1969)は図書館ホームページで公開されている。

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事項:

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専門分野:

宗教学 歴史学

所蔵機関:

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