ドイツの社会法学者フリードリヒ・ターナー(1839–1915)の旧蔵書2,736冊(主にドイツ語)からなる。ターナーの専門であるドイツ教会法に関する図書が豊富であり、16世紀の文献も含まれる。教会法は、ドイツ民法典成立以前のドイツの家族法の役割を果たしてきたため、ヨーロッパの家族法史の研究にとっても重要な資料である。 ターナーは、アエミリウス・ルートヴィヒ・リヒター(1808–1864)とテオドール・シッケル(1826–1908)に師事し、1877年から1907年までグラーツ大学教授として教会法を講じた。 本文庫はトゥール文庫、ハチェック文庫とともに、第一次世界大戦の賠償の一部としてドイツから日本に供与されたものである。1931年に大蔵省から京都帝国大学に移管され、翌年法学部に受け入れられた。目録として『Katalog der Friedrich Thaner Bibliothek in der Juristischen Fakultät der Universität Kyoto』(1976)が刊行されている。