ドイツの公法学者ユリウス・ハチェック(1876–1926)の旧蔵書で、19~20世紀の公法関係の洋書2,138冊からなる。ドイツ語のほか、英語、フランス語などの文献が含まれる。また『プロイセン一般法典』(独文、1791)、『プロイセン一般ラント法』(独文、1817)などの貴重書が収蔵されている。 ハチェックは、ワイマール憲法下において国法学と行政法学の研究を行い、ドイツとイギリスの比較法の専門家としてイギリス公法研究においても業績を残した。 本文庫はトゥール文庫、ターナー文庫と共に、第一次世界大戦の賠償の一部としてドイツから日本に供与されたものである。1931年に大蔵省から京都帝国大学に移管され、翌年法学部に受け入れられた。目録として『Katalog der Julius Hatschek Bibliothek in der Juristischen Fakultät der Universität Kyoto』(1976)が刊行されている。