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河上文庫(河上肇)

 経済学者の河上肇(かわかみ はじめ、1879–1946)旧蔵の和漢書2,041冊、洋書681冊、雑誌92種、原稿・ノート類約100点からなる。
 河上肇は日本におけるマルクス主義経済学の先駆者である。山口県に生まれ、1902(明治35)年東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。同大学講師などを務め、1905年、『読売新聞』に千山万水楼主人の筆名で『社会主義評論』を連載。1908年京都帝国大学講師、1909年助教授となり、1913(大正2)~1915年のヨーロッパ留学を経て、1915年京都帝国大学教授、経済学講座を担当した。在任中の1916年から『大阪朝日新聞』に『貧乏物語』を連載し、世間の注目を集める。その後、急速にマルクス主義の立場に接近し、個人雑誌『社会問題研究』(1919–1930)に諸論文を発表するとともに、『唯物史観研究』(1921)などを刊行し、マルクスの著作『賃労働と資本』などを翻訳した。1928(昭和3)年教授を辞職。1932年「32年テーゼ」を翻訳して地下運動に入り、日本共産党に入党。1933年治安維持法違反で入獄。1937年に出獄後は漢詩、短歌、書などに親しみ、『自叙伝』などを執筆した。他の著書に『経済学大綱』(1928)、『資本論入門』(1928–1929)、『マルクス主義経済学』(1928)など多数。『河上肇全集』(全36冊、1982–1986)が刊行されている。
 本文庫は1969年に寄贈され、『河上肇文庫目録』(1979)が刊行されている。なお、京都府立総合資料館にも河上肇の旧蔵書や遺品が収蔵されており、『河上肇文庫目録』(京都府立総合資料館編、1974)が作成されている。

<http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/guide/jpn/collection.html>

事項:

セリグマン、エドウィン・ロバート・アンダーソン; マルクス主義; 政治史、日本の; 日本の政治史; 日本の社会史; 日本の経済史; 河上肇; 社会主義; 社会史、日本の; 経済史、日本の 資本主義

専門分野:

政治史学 経済学

所蔵機関:

京都大学経済学部図書室

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