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上野文庫(上野精一)

 元・朝日新聞社主の上野精一(うえの せいいち、1882–1970)の旧蔵書で、和書約5,000冊、洋書約22,000冊、合計約27,000冊が収蔵されている。上野の生前の1955年から寄贈を受け始め、逝去後も遺志を継いだ息子の上野淳一(うえの じゅんいち、1909–1997)から寄贈が続けられた。新聞学、ジャーナリズム学研究の貴重な集書である。
 上野精一は、朝日新聞の創設者の一人である上野理一(うえの りいち、1848–1919)の長男として生まれ、1907年東京帝国大学法科大学を卒業した。日本勧業銀行入行を経て、1910年朝日新聞社に入社。初代営業部長、1933年社長、1945年社主を歴任し、87歳で他界するまで『朝日新聞』にその生涯を捧げた。また社務のかたわら新聞の研究を続けた。著書に『英国新聞史論』(1931)、ジョン・ミルトン(1608–1674)の『アリオパヂティカ』を共訳した『言論と自由』(1948、のち『言論の自由』と改題され1953年岩波文庫に収録)などがある。
 文庫の特色の第一は、内外の新聞の現物が多数集められていることである。特に17世紀初頭以降のイギリスの新聞・雑誌は多くの種類が収蔵されている。特色の第二は、新聞および新聞関係の図書だけではなく、その歴史的背景をなす社会思想、政治学、経済学、哲学、文学、歴史学など広範な領域の図書が含まれていることである。印刷史に関する資料も収集の柱となっている。蔵書は「新聞部門」と「一般部門」に分類され、『上野文庫解題目録』(3冊、1960–1962)、『上野文庫目録』(4冊、1978–1994)に収録されている。

<http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/guide/jpn/collection.html>

事項:

ジャーナリズム、日本の; ミルトン、ジョン; 上野淳一; 上野理一; 上野精一; 伝記; 出版史; 吉田新吾; 政治史、日本の; 新聞の歴史、日本の; 日本のジャーナリズム; 日本の政治史; 日本の新聞の歴史; 汐見三郎; 瓦版; 石田憲次 錦絵新聞

専門分野:

新聞学

所蔵機関:

京都大学経済学部図書室

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