戦時中、京都帝国大学文学部に設けられていた民族研究所が収集した和漢・洋書6,434冊、雑誌60冊からなる。太平洋地域、特に東アジアに関する民族学関係の文献が多数所蔵されている。 民族研究所は、1943年に文部省によって設立され、その所長には京都帝国大学教授の高田保馬(たかた やすま、1883–1972)が任命された。同研究所では、主に東アジアの諸民族の研究が行われた。1945年に日本の敗戦で第二次世界大戦が終結すると、同年民族研究所も廃止され、その蔵書は京都大学の所蔵となった。高田保馬は社会学者、経済学者として活躍し、東京商科大学、九州帝国大学の各教授を経て、1929年京都帝国大学経済学部教授に就任した。1943~1945年民族研究所所長を務め、戦後、教職追放を受けたが、1951年大阪大学教授に復帰し、のち大阪府立大学教授、龍谷大学教授を歴任した。
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