江戸中期の儒者、皆川淇園(みながわ きえん、1734–1807)の手稿本および書き入れ本410冊(和書)からなる。 皆川淇園は京都に生まれ、幼少より英才教育を受けて儒学を学んだ。易学研究を深め、後年、『易経』の思想をもとに独自の言語論により「名」と「物」の関係を解釈する開物学を提唱。多くの経書注釈も残した。全国から集まった彼の門人は3,000人を超えたと伝えられる。詩文、書画にも優れ、寛政期(1789–1801)の京都を代表する儒者、文人の一人であった。 本文庫は皆川家に伝来した淇園の手沢本であり、多数の自筆稿本を含んでいる。淇園および日本の儒学史研究に貴重な資料である。淇園第4世の子孫である皆川錞彦(ともひこ)から蔵書を譲り受けた。
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