明経道(みょうぎょうどう)の家の舟橋(ふなばし)家に伝来した室町時代から江戸時代にいたる文書、記録、進講本、経書などの漢籍2,654冊が収蔵されている。 舟橋家は、『令義解』(りょうのぎげ)の編纂者で右大臣を務めた清原夏野(きよはらの なつの、782–837)の子孫、秀賢(ひでかた、1575–1614)が1601年に舟橋と改姓し、家祖となったのが始まりである。清原家と舟橋家は、清原夏野以来、代々明経博士(みょうぎょうはかせ)として経書を講じた儒家の名家であり、平安時代の歌人、随筆家の清少納言(せい しょうなごん)、室町時代の代表的経学者の清原宣賢(きよはら のぶかた、1475–1550)などを輩出した。文庫は、経書、特に室町時代の宣賢を中心とした儒学の著書を根幹としており、日本の儒学研究に貴重な資料を提供している。清原家伝来の秘籍である清原家家学書34種は、重要文化財に指定されている。また文書・記録に関しては、江戸時代に書かれた宮廷の儀式典礼の故実や考証に関する覚書類が多く、有職故実の研究に有力な資料となっている。 本文庫は、舟橋清賢(ふなばし きよかた、1891–)子爵から譲り受けた。目録として『京都大学附属図書館「清家文庫」貴重漢籍目録(稿)』(1990)が作成されている。
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